卒業生の多くは昨夜なかなか寝付けなかったのでは…。コロナ禍で昨年に引き続き、会場となる体育館には在校生不在の第73回卒業証書授与式です。卒業証書は、情報処理科(代表:三野優人君)・国際経済科(代表:浅原杏奈さん)・商業科(代表:池上羽雪さん)の順で授与されました。

 校長先生からは「卒業生の皆さんは、『令和』の元号に切り替わる直前に入学。コロナ禍の厳しい日々ではあったが、定期戦代替行事や倉商祭など強力なリーダシップを発揮し、アイデアと工夫で新しい歴史を作り出して後輩たちを導いてくれた。今日を迎えられたことは、個々の努力は勿論、皆さんを見守り支え導いてくれた家族や先生方、一緒に喜び悩んでくれた友人など多くの存在があったことを忘れてはならない。校歌や校訓に示されている「至誠」の精神は高校時代だけの教えでなく、これから世の中を渡っていく皆さんのヒントになる。「至誠剛健」を胸に刻み、心豊かな人生を送って欲しい。」と式辞を述べられ、今年度でご定年を迎えられる想いを「校歌」に寄せて最後に独唱してくださいました。

  在校生を代表して2年生の小野さんからは「いつも明るく笑顔が絶えない先輩方に少しでも近づけるように背中を追いかけてきた。そんな日々が今日で終わることが寂しい。二年連続で開催できなかった定期戦の代替行事『Toshiyuki Cup』、各競技にて取り組み仲間同士で称え合う姿は大変格好良く先輩方の存在の大きさを感じられた。進学や就職の進路準備と重なって忙しい『倉商祭』、様々な場面で学校全体を引っ張り盛り上げ、思い出に残る充実した4日間を送ることができた。大先輩、星野仙一さんのお言葉『大変という意味は大きく変わること。ピンチはチャンスの前触れ。大難を忍ぶものは大善を引き起こす。』自分を信じて前を向いて歩むことで必ず乗り越えられる。その先には一回りも二回りも成長した自分がいるはず。自身の可能性を信じて一歩ずつ歩んで欲しい。」と送辞が述べられました。

 卒業生を代表して片山君から「3年前不安と期待、そして大きな希望を抱いて倉商の校門を叩いた。先輩方が入学式で全員肩を組んで校歌を熱唱する姿に圧倒された。その雰囲気が忘れられず、笠岡での一日LHR。往路のバス移動から校歌の練習は始まり、一日の最後にクラス毎に大声で歌う恥じらいは一つもなかった。伝統の定期戦や倉商祭もしっかり味わえた。しかし、2年生で大流行となった新型コロナウイルス。伝統の定期戦や倉商祭も日常として出来なくなり、思い出の『修学旅行』も中止となった。新チームで取り組んだ部活動。『夢を諦めるな!』と励まされ目標の夏の選手権大会となる『甲子園』を体験することができた。この先のコロナ禍でも諦めず、『思考は現実化する』という言葉を信じ、常識にとらわれず新しい時代を築いて欲しい。家族には思春期で大変迷惑を掛けた時期もあり、今やっとその有り難さに気付く。コロナ禍で不平不満が積もる中、同級生の皆がいたからこそ乗り越えられた。クラスに溢れる笑顔に助けられた。『人は一生のうちに逢うべき人に必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。』3年生の皆がそうでした。本当にありがとう。」と答辞が述べられました。

 卒業式後、保護者を代表して三宅様より謝辞を拝聴し、岡村学年主任よりお礼の言葉がありました。コロナ禍で来賓等のご祝辞は省略、保護者の皆様を交えた最後のLHRも2年連続で出来ませんでしたが、各クラスでは担任と最後のひと時を思い出深く残すことが出来ました。