春爛漫の陽気に煽(あお)られ、大樹サクラは一足早く「葉桜」に変わり、上方へ少々の花を残すばかりとなりました。晴天のもと真新しい制服に袖をとおし、新入生の皆さんはまぶしいほどに輝いていました。在校生の皆さんは新型コロナ感染症対策のため家庭学習日となり、自宅にてリモート配信を閲覧しての入学式となりました。

 石下校長先生から「明治45年に地元の期待を担って創立され今年百十周年。『至誠剛健』は私たちから最も大切されている言葉。『至誠』とは「極めて誠実なことでこの上なく純粋であること」を表す。『剛健』とは「心身共に健やかに強くどんな困難にも決してくじけないこと」をいう。学習・学校行事・部活動に取り組む姿勢や人との付き合い方が大切なのが『至誠剛健』の精神である。この言葉の意味をしっかり心に刻み様々な活動に積極的に取り組み充実した高校生活を送って欲しい。倉商入学は決してゴールではない。皆さんの『夢』に向かって走り出すスタート地点に今立っている。この高校時代をどう過ごすか、つまり自己の確立ができるかどうかが、その後の人生を大きく左右することになる。賢い決意と覚悟をもって次の二つのことを大切に高校生活に励んで欲しい。

 第一に自分の心の中に『誇りを育てる』こと。倉商生として、地域・家族に対する誇り。誇りが育つことで、将来自分を育ててくれた方々にどのように恩返しするか想いが湧くようになる。その想いを大切に、将来よりよい社会づくりに貢献する人になって欲しい。

 第二に『信頼を育む』こと。授業・部活動・学校行事・ボランティア活動に仲間と共に主体的に参加すること。積極的に参加することで豊かな人間性を養い、先輩後輩との関わりの中で健康な心身の成長を図ることができる。

 今まで支えてくれた方々への感謝を忘れず、これから迎えるかもしれない試練を乗り越えるためにも「チーム倉商」の一人として仲間同士が助け合い、信頼や思いやりの心を育み、共に頑張ってくれることを期待したい。」と式辞が述べられました。

 来賓を代表して濵砂PTA会長様より「コロナ禍で制約された生活を送っている。本来なら在校生の23年生の先輩たちが肩を組み、体育館の床を揺らす校歌斉唱で新入生たちはたいへん驚いているところである。校訓の『至誠剛健』のもと、地域のビジネスリーダーの育成を目指し、生徒ひとり一人が倉商の誇りと自覚を持ち、夢への実現に向け日々の学習や課外活動に取り組んでいる。学校目標の一つに「全商三種目1級取得」があり、近年は連続して200名を超えて全国の商業高校の中でも高い実績を残している。また全国レベルの結果を残す部活動も多くなり、部活動を通じ心身を鍛え挨拶・礼儀・マナー等の社会的基礎力が養われている。100年を超える歴史と伝統で築きあげられた信頼により多くの企業から高い評価を得られている。先輩や仲間との絆を深め、今日からの高校生活を有意義なものにして欲しい。」とご祝辞をいただきました。

 新入生を代表して原田さんから「憧れの倉商生として第一歩を踏み出し、9年間の義務教育を終え、初めて自分自身で切り開いた環境に不安はありつつも、それ以上の期待と希望で胸が一杯です。これから始まる長いようで短い三年間の中で一日一日を大切に、ひとり一人の目標や夢に向かって全力で挑みたいが、一人では乗り越えられない時には先生方先輩方そして保護者の皆様の力強い後押しをお願いしたい。新入生一同は『至誠剛健』の校訓のもと倉商生としての責任と誇りを持ち、先輩方が築いた伝統を大切にし、新制服第一期生として倉商の新たな歴史を刻み、有意義な学校生活を送りたい。」と誓詩がありました。その後担任紹介が行われ、各クラスでのクラス開きがありました。

 入学式の後、中庭では新制服をまとった姿でクラス写真をとりました。お天気もよく新制服がたいへん輝いていました。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございました。

 新制服(女子)は次のように新調されました。男子も同様に紺のブレザーとスラックスになっています。