創立110周年記念式典が日毎に秋の深まる中、倉敷市民会館にて来賓の方々をはじめ本校生徒・教職員・PTA・同窓会の方々もご参加いただき、前半は放送部の池内さんの司会進行により盛大かつ厳粛に執り行われました。

 石下校長先生からは「明治45年、地域における商業教育の強い要望から倉敷町立倉敷商業学校が現在の鶴形1丁目あたりに創設。『至誠剛健』の校訓は当時から引き継がれている。以下本校の沿革を紹介、本校教育が人間力を高め自分の夢と共に地域の発展に寄与し地域コミュニティーの核としての役割を今も堂々と果たしている。昭和29年から続く対岡山東商業定期戦、切磋琢磨の精神はお互いに品格のある素晴らしい校風となり、将来作り上げる豊かな社会へ続いていると確信している。近年では課題解決型学習や一人1台端末によるITC活用により、個別的な学びと協働的な学びの実現を目指している。1年生での総合的な探究の時間や3年生課題研究では美観地区における観光ガイドから学ぶ倉商AAA、地元商店街や産業を学びのフィールドとする地域経済探究講座やツムグプロジェクトなど、生徒は世代を超える人々と接し、豊かな人間性を育み商業にとって大切な全ての隔たりを埋め、人を繋ぎ幸せにする仕組みを体感している。これまで多くの先輩方が築きあげた伝統が脈々と輝いている。これからもグローバルな視点をもって、社会や地域を豊かにする未来を築いて欲しい。そのためにも至誠剛健を砥となして心を磨き真心や思いやりの心をもって心身共に健やかであるよう心掛けて欲しい。」と式辞が述べられました。

 来賓として岡山県教育委員会より田野様、倉敷市長の伊藤様、県校長協会長代理で県商業教育協会理事長の森山様、同窓会会長の古市様、PTA会長の山縣様からご祝辞を賜りました。また、この十年の間の同窓会・PTA・教育功労者の方々への感謝状が贈呈され、代表して歴代校長の内田様よりご挨拶を賜りました。来賓紹介・祝電披露の後、生徒を代表して生徒会長の阿部君より「110年の長い歳月を私たちでは計り知れない。しかし、これまでの倉商生たちの喜びや悲しみ、数々の栄光や挫折、一言では語り尽くせない沢山のドラマがあった。私たちが入学した3年前、新型コロナウイルスにより日常の学校生活とは大きく異なった日々を送った。しかし、どんな困難にも負けず生徒同士で協力し、先輩方のアドバイスや先生方のご指導により最高の学校生活を送ることが出来た。倉商の伝統はただそのままを受け継ぐのでなく、環境や時代に応じて姿を変え、私たちの思いを乗せて繋がれる。日々の学校生活を送られるのも、先生方や先輩方、地域の皆様によるお力添えであることを忘れてはならない。これからも多くの方々と出会い成長し続け、倉商の卒業生して社会に貢献し活躍できるようにしたい。」と抱負と挨拶が伝えられました。式典の最後は吹奏楽部の演奏により校歌を黙唱とし閉会となりました。

 引き続き後半は放送部木村君の司会進行により、本校新制第15期の卒業生で大阪府吹田市のシップヘルスケアーホールディングス(株)代表取締役会長の古川國久様より「商人とは~私が倉商で学んだこと~」の演題でご講演を賜りました。講師紹介は同窓生同期の宮﨑様が務められました。平成4年に数人で現在の会社を創業、「医療」「保健」「福祉」「介護」「サービス」の分野に特化した企業として、創業わずか15年で東証1部上場を果たし、グループ総数47社・従業員数10,000名超で年商4,000億円規模に成長。古川様は県北で過ごされた幼少期、中学生で初めての大阪、中学校・高校でお世話になった恩師から学んだこと。倉商卒業後、就職した会社の営業回りで得た貴重な体験が糧になって創立できた現在の会社。地元の松山藩で活躍された山田方谷が唱える「至誠側怛」と「至誠剛健」から支えられた人生について分かりやすくお話をしていただきました。最後に生徒を代表して生徒会副会長の宍戸君から謝辞、小野さんから感謝の意を込めて花束の贈呈がありました。

 本校の東側通用門隣の植え込みには第15期生有志のお手伝いのもと本校書道部生徒が書き上げた校歌碑を古川様よりご寄贈いただきました。本校生徒全員が毎年胸を張り熱唱して卒業できる源泉に位置付けられるものと思います。たいへんありがとうございました。皆さんもご来校の節は、是非ご覧いただきたいと思います。