年末から新型コロナウイルス感染は第8波のピークに向かって全国的に広がる中、本校は第3学期始業式を本日迎え、いつものように「リモート配信」により行われました。
 校長先生からの式辞では、「昨年末はサッカーワールドカップ、今年はラグビーのワールドカップが開催される年。選手だけでなく、世界中の人が感動を共有し、絆を深めることを可能にしている。最近ではスポーツを「する」、「見る」、「支える」ことによって生活が豊かになるとも言われている。日本代表チーム関係者によるロッカールームの清掃や折り鶴の設置に感銘を受けた。クロアチア戦後、その折り鶴は頭を上に向け、紙コップの上で未来へはばたいているように見えた。
 皆さんに一つ知っておいてもらいたい言葉、それは「インテグリティ」。「インテグリティ」とは、高潔さ(結果にかかわらず常に正しく良いことを行うこと)・品位・完全な状態を意味する。スポーツにおける「インテグリティ」とは、「スポーツが様々な脅威により欠けるところなく、価値ある高潔な状態」を指し、暴力・ハラスメント・ドーピング等の様々な脅威からSport Integrity(スポーツにおける誠実性・健全性・高潔性)を守る取り組みのこと。部活動をひたむきに一生懸命頑張ることで、周りの人に勇気や元気、感動をもたらすことができる。だからこそ校訓のように誠実でなくてはならないのである。
 商業は「信頼」が第一。信頼を築くためには誠実でなければならない。倉商で学ぶ以上、常に正しく誠実で周りの人のことを考えられる人間であって欲しい。しかし、信頼関係を築くということは決して一人ではできない。相手がいて初めて信頼関係は築かれる。まず自分が信頼し、信頼の連鎖をつくる。それが拡がって仲間になる。常に正しく誠実な人間ばかりならそれも可能です。倉敷商業がそうであって欲しいと思う。とはいっても、人間関係は難しい。人間の悩みの原因の大半は人間関係にある。人間関係で悩んでいる人のために次の2つを伝えたい。
 一つめ、『人間は悩む存在』であるということ。人間は必然的に悩む存在。悩むことは一番苦しいが、一番尊い部分でもある。人間の一番の尊厳は悩む存在であるということ。人間は悩んでもいい。それこそが人間であるということを知っておいてもらいたい。
 二つめ、『悩みの源泉は対人関係』である。他人から評価されることはつらい。しかし、自分自身の本当の価値は他人の評価とは違う。他人の評価と人としての価値は一緒ではないということ。
 でも、『本当の幸せは対人関係の中でつくられるもの』だということも知っておいて欲しい。家族や仲間、学校の存在意義はそこにあるのかも知れない。倉敷商業が『幸せが生まれる場所、悩んでいる人の温かい居場所』であればいいと思う。その中で、これからの厳しい検定への挑戦を仲間を感じながらチームの力で乗り越えて欲しいと思う。
 次に、私が今日の節目に思うこと。それは、『卒業式を最高の式にしたい』ということ。創立110周年の年を共に過ごし、倉敷商業に新たな歴史を残してくれた3年生を全校生徒、全教職員で心からの祝福を持って送り出すこと。難しいといわれる厳粛な卒業式をみんなの手で作り上げること。そのためにも、3年生はもちろん、1・2年生も含め、最後の最後まで、一人ひとりが決して力を緩めることなく、「We are KURASHO!」の自信と誇りを持って、頑張ってくれることを期待したい。
 最後に、今、私の心の中にある大切な2つのことを伝えて式辞を終わろうと思う。
(1)「言葉の力」
 言葉や文章は自分から出たもの。つまり、自分の人格や人間性がそのまま言葉や文章に現れる。だからこそ、言葉や文章は自分自身であり命である。使い方に気を付けて欲しい。できればプラスの言葉を使いたい。「ありがとう」は最高の言葉になる。
(2)玉島にゆかりのある良寛和尚の句
『いかなるが 苦しきものと 問ふならば 人を隔つる 心と答へよ』(どのようなことが、辛いものであるかと聞くならば、人を見下す心だと答えなさい)
 みんなに居場所があればいいなあと思う。少なくとも倉敷商業はみんなの居場所であって欲しいと思う。寒さも本格的になってくるので、体調には万全の注意を払って欲しい。倉商111周年の年が、皆さんにとって最高の年となりますように。」と述べられました。

 続く校歌は「黙唱」とし、次のよう「表彰・壮行」式が行われました。

☆☆ 表彰伝達 ☆☆

【県大会】
《女子ハンドボール部》
 12/18-27 第54回岡山県高等学校ハンドボール選手権大会(中山運動公園体育館)
     優勝

《男子ハンドボール部》
 12/18-27 第54回岡山県高等学校ハンドボール選手権大会(中山運動公園体育館)
     第2位 

☆☆ 壮行式 ☆☆

【中国大会】
《女子ハンドボール部》
 2/3-5 第46回全国高等学校ハンドボール選抜大会中国地区予選会(山口県周南市)

《男子ハンドボール部》
 2/3-5 第46回全国高等学校ハンドボール選抜大会中国地区予選会(山口県周南市)

 生徒を代表して生徒会長の三宅さんから、「女子は優勝、男子は準優勝と素晴らしい成績となりおめでとうございます。中国大会では3位以内で中国大会を抜け全国大会へ進められるので、日々の努力を発揮できるよう頑張ってください」と激励の挨拶がありました。
 校長先生からは、「日々の成果が実り中国大会が決まった。先程の式辞でも伝えたように、スポーツには「する」「観る」「支える」3つの側面がある。皆さんは「する」立場、観る側の立場からは、皆さんの「ひたむきさ」「一生懸命さ」により感動を与えて欲しい。普段の練習から努力を惜しまず何が足らないかを求め過ごして欲しい。「支える」人も感謝の気持ちを忘れずに大会に臨んで欲しい。倉商はひたむきで一生懸命な皆さんを応援している」と激励の挨拶がありました。
 出場者を代表して女子ハンドボール部の井上さんから、「中国大会では岡山県代表として全力で戦い、全国大会への切符を勝ち取れるよう精一杯頑張りたい」と抱負が述べられました。