令和631日(金)午前10:00より本校体育館にて『第75回卒業証書授与式』が挙行されました。

 来賓として、岡山県議会議員 小田圭一様、同窓会会長 古市了一様、顧問 竹内洋二様、副会長 宇野進様、鳥越恵美香様、東山元行様、山磨典子様、岡田奈津子様、河野秀樹様、PTA副会長 渡邉須美加様のご臨席を賜り、4年振りに在校生、保護者、教職員が会場に揃い、卒業生の門出を祝福しました。

  
  
 卒業証書は、情報処理科(代表:浦本煌明さん)・国際経済科(代表:磯崎 丈さん)・商業科(代表:笠原りをさん)の順で授与されました。

  

 石下義久校長先生からは、「今年度は、在校生も体育館に同席できるようになり、卒業生の姿を見て、将来の自分の姿に置き換えられる大切な式典となる。この厳粛な雰囲気を在校生の皆さんは引き継いで欲しい。コロナ禍で行事の中止や縮小等により、定期戦や倉商祭の開催は毎年悩みの種となった。卒業生や保護者のご協力で、倉商祭体育の部の会場が水島緑地福田公園体育館に定着しつつある。ジップアリーナへ両校合わせて約2,000人が集う定期戦。今年14年ぶりの優勝に立ち会えたことは、この上ない喜びであった。また、学びにも力が注がれ、全国商業高等学校協会主催検定試験1級三種目以上合格者254名の数は全国第2位。一人ひとりが目標に向け努力し、チームで頑張った結果だと思う。『商業の学び』は自分以外の人をしっかり意識することから始まる。地域の方々の支えを感じて、人とのつながりを持つことの重要性を認識できた。『商業』の力で人を元気にできる。人との『つながり』が大きな成果を上げる。私たちには『商業』で学んだ多くのことを他に伝えて、さらに一緒になって地域を未来につなぐ使命がある。不透明で不安な状況が続く時代だからこそ、人との良い『つながり』を築き、その中で幸せを作り出す力が必要とされる。そのためには自分自身のたゆまぬ努力とご家族からの応援や仲間の励まし、地域や同窓生からの支援があることを忘れてはならない。謙虚な気持ちで『ありがとう』の感謝の気持ちを伝えよう。倉商生は『至誠剛健』の精神で努力し、倉敷商業で過ごした仲間や時間を誇りに思い、時を隔てても場所が離れていても、母校や故郷に思いをはせることができる人物である。人や心を大切に、『商業』で人をつなげ、地域を未来へつなげる先に多くの幸せが待っていると信じている。卒業生へ最後の言葉、『幸せになりなさい』『人を幸せにできる人間になりなさい』。結びに当たり、本日まで本校の教育活動に絶大なご理解とご協力を賜りましたことに、保護者の皆様には改めてお礼申し上げます。」と式辞が述べられました。

  
 在校生を代表して2年生の北原彩稀さんから、「ご卒業おめでとうございます。高校3年間の間、仲間と共に切磋琢磨し、学校生活を送る先輩方の姿はとても輝かしく、私たちにとって憧れの存在となった。コロナ禍で開催された『新入生歓迎会』。入学後間もない頃、不安を抱えていた私たちを明るく迎え入れ、高校生活の楽しさを教えてくれた。4年振りの通常開催となった定期戦。応援の迫力や団結力、肩を組んで歌った校歌。14年振りの勝利を果たした瞬間が忘れられず、この伝統を受け継いでいこうと決意した。『ただいま日常!おかえり青春!』のスローガンのもと、3年生の模擬店も復活された。生徒は誰も知らない本来の倉商祭、準備運営を行うことはとても大変だった。しかし、先輩方が様々な工夫を凝らして全体を引っ張り楽しませてくれたおかげで、とても充実した4日間を送ることができた。就職や進学に向け、限られた時間での準備も粘り強く挑戦する先輩方の姿は理想の鏡となった。どんなに困難な道のりでも諦めずに努力をすれば、いつかきっと報われることを学んだ。私たち在校生は、先輩方が作り上げてきた倉商の伝統を受け継ぎたい。」と送辞が贈られました。

  

 卒業生を代表して3年生の三宅咲綾さんから「最後の制服姿、最後の通学路。3年間の高校生活を噛みしめながら校門をくぐると、心地よい春風が私たちを出迎えてくれた。3年前、見えない敵に制限を強いられ、たくさんの不安の中、高校生活がスタートした。入学前に聞いていた倉商の日常を体験できない日々。リモート授業、制限の多い学校行事や部活動はできる限りの工夫と協力で、仲間との絆を深めた。後輩ができた2年生。あまり表に出せなかった努力や活動を徐々に発揮できる場が増えた。求める自分の姿とその姿に追いつけない現実に苦悩し、挑戦し続けた。中学では中止となった修学旅行が高校ではどうにか行くことができたことはご褒美のように感じた。友だちとかけがえのない思い出をつくることができた。3年生では以前の日常に戻った学校生活。コロナ禍前を知らない私たちにとって全てが初めての経験の中、定期戦や倉商祭にチャレンジ。14年振りの劇的な勝利となった定期戦は生涯忘れられない。また、集大成となった部活動。最後の大会で嬉し涙や悲し涙を流したが、どんな結果であろうとも、ぶれることなく目標に向かって貫いた経験は一生の宝となった。

 最後のイベントとなった倉商祭。この3年間の思いをぶつけるかのように手探りの準備期間となり、発案から企画、先生との交渉など、何度も試行錯誤を重ね、与えられた状況の中で最善策を求めた。『ただいま日常!、おかえり青春!』のスローガンで、日常を取り戻した私たちにしか出せない色で青春の一ページを刻むことができた。同時進行で挑んだ進路。自分の可能性を信じ進路実現に向け、就職試験や進学試験に挑んだ。そばにいてそっとエールを送り続けてくれた友が、自分のことのように結果を喜んでくれた。在校生の皆さん、私たちは皆さんに何か残せたでしょうか。倉商生活はあっという間に過ぎ去っていきます。倉商の良き伝統を引き継ぐとともに、さらなる挑戦をし続けて今まで以上に魅力あふれる学校を作り上げて欲しい。

 青学年の皆さん、この3年間を振り返り、その都度様々な試練を乗り越え、一緒に頑張り一緒に泣いて一緒に笑ってくれる仲間の存在のおかげがあった。倉商へはいつでも帰ってこられる場所として心に秘め、新たな地へ進んでいこう。私たちの青春は間違いなくここ倉商にあった。最後に誰よりも私たちのことを一番に考えてくれていた家族。照れくさいけれどここで改めて感謝の言葉を伝えたい。『18年間ありがとう。』これからも精一杯頑張る姿を見守って欲しい。」と答辞が述べられました。

  

  
  
  
  
  
  
  
 式典の最後に、唱歌として「蛍の光」を、「校歌」は倉敷商業の日常の形態に戻し全員が肩を組んで歌い、体育館の床を久しぶりに揺らすことができました。卒業生が退場する際は、各クラス思い思いのメッセージを叫び、在校生、保護者や先生方に見送られ会場を後にし、各教室では保護者の皆様と一緒に最後のホームルームを過ごしました。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていた渦中に入学され、多くの苦難を乗り越えて卒業された皆さん。ご卒業おめでとうございます。